2009年に日本腎臓学会より刊行された「CKD診療ガイド」によりCKD(慢性腎臓病)という病名が一般化してきました。腎臓病の多くは無自覚のまま発症し緩徐に進行し、放置すると不可逆的な「慢性腎臓病」となります。食事療法やRAS阻害薬などによる降圧、尿蛋白抑制は、末期腎不全への進行をある程度は抑制してくれますが、腎機能障害が一定以上進行すれば、いずれ腎機能は廃絶し透析が必要となります。しかし、慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群の中には、早期にステロイドや免疫抑制剤などの治療を開始することにより完全緩解が見込まれる(CKDにならない)場合も多くあります。また、血管炎による急速進行性糸球体腎炎のように数週から数ヶ月の間に腎機能が廃絶し、治療開始の遅れによって生命が脅かされる疾患も存在します。そのため、検尿などによる検査で、腎臓の異常をいち早く察知し、速やかに診断をつけ加療を開始することが肝要です。当科では、腎疾患の早期発見、診断と早期治療による慢性腎臓病への進行阻止を第一に考えます。また、当科ではこれまでに様々な腎疾患の経験を積んでおり、同時に日々偏りのない最新の知見を収集し、これらをもとに腎予後と生命予後の両面から治療方針を検討しています。
当科で初診対応となる疾患は以下のものです。健康診断で指摘された蛋白尿あるいは蛋白尿と血尿、原因不明の蛋白尿あるいは蛋白尿と血尿、慢性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、膠原病や血管炎による腎炎、感染症に伴う腎炎、間質性腎炎、遺伝性腎炎、多発性囊胞腎、尿細管障害、原因不明の電解質異常、原因不明の酸塩基平衡異常、腎性高血圧、腎血管性高血圧、原因不明の腎機能障害、慢性腎不全(保存期と血液透析導入)。
検尿異常のうち血尿単独例については、泌尿器科的疾患の鑑別が重要となるため、まずは泌尿器科への受診を勧めます。上記検尿異常や腎炎、ネフローゼ症候群に対し、当科では治療方針決定のため特に腎生検を重視します。慎重に適応を判断した上で、入院により腎生検を施行、組織標本は病理医との定期的なカンファレンスにより最終的な診断を下します。さらに、個々の症例の年齢や合併症も考慮の上、治療方針を検討し患者さんに説明、同意をいただいた上で加療を開始します。また、原因不明の腎機能障害、全身性疾患に伴う腎障害などの診断、治療方針決定のためのコンサルトも行っています。
病歴が長く緩徐な経過で不可逆的な腎障害を生じていると考えられる慢性腎臓病(CKD)に対しては、降圧薬など薬剤の選択調整、個別の栄養指導を行い、状態が安定している方は再び近医に加療をお願いし、その後の連携を保つようにしています。進行した慢性腎不全に至り、腎性貧血や電解質異常の管理が必要な場合には、当科で引き続き加療し、末期腎不全に至った場合は、ブラッドアクセスの作成から血液透析導入、栄養指導、生活指導を行い、近隣の透析クリニックに紹介します。
| 氏名 | 専門 | 専門医・認定医等 | |
|---|---|---|---|
| 部長 | 波多野道康 | 腎臓病 | 日本内科学会総合内科専門医 日本腎臓学会学術評議員 日本透析医学会指導医 |
| 医師 | 大島 康子 | 腎臓病 | 日本内科学会認定内科医 日本腎臓学会会員 日本透析医学会会員 |
| 医師 | 眞部 俊 | 腎臓病 | 日本内科学会認定内科医 日本腎臓学会会員 日本透析医学会会員 |
| 医師 | 伴野 麻悠子 | 腎臓病 | |
初診の方と予約外の方の受付時間 8:15〜11:00
※「紹介予約」は事前予約と紹介状の両方が必要です。
(注) ★印:部長
※手術・緊急呼び出し等により予告なく担当医に変更のある場合があります。ご了承ください。
※腎疾患の診断と治療方針決定には、臨床経過が非常に重要です。ご紹介の際には、血尿、蛋白尿、高血圧などの出現時期や血清Cr値の時間的な推移などの情報を提供していただけると非常に助かります。
※初診は予約も受け付けておりますが,お急ぎの場合はその限りではありません.ただし予約なしの当日受付はお待ちいただくことになります。
※再診は原則として予約制です。
※学会その他の事情により休診になる場合もあります.予約なしで受診される場合は,必ず電話で確認してから来院してください。
エコー、CT、MRI、レノグラム、血液透析装置、血漿交換装置、LDL吸着装置。
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